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社長挨拶

虹に寄せて

工藤 浩美

私が初めて虹を見たのは、ずっとずっと前のことです。
母に怒られて飛び出した原っぱで、悔しくて見上げた青空に大きな7色の虹が架かっていました。誰もが一度はそう思うように「あの虹の向こうには何があるのかな?」と、見知らぬ国に思いを馳せました。そして、それから数十年の月日が流れ、国を超えて虹という名前がついた「語虹舎」の経営に携わることになりました。

通訳・翻訳サービスを通して、ずっと言葉に携わって仕事をしてきましたが、言葉ほど不思議なものはないと思っています。例えば「虹は何色ですか?」と聞かれたら、日本人は誰もが「虹は7色だ」と答えるでしょう。でも世界に目を向けてみると6色だったり、5色だったり虹の色も様々です。色の捉え方自体が、国や文化によって違うからです。世界は色彩で溢れていますが、すべての色に名前が付いている訳ではありません。文化によっては色を表す言葉が2つか3つしか存在しておらず、名前のない色は、存在すらしていないことになります。

人間の多様な考え方や営みは、私たちの財産です。そして、それぞれの歴史や考え方、社会の仕組みの違いをお互いに理解しあうことが何よりも大切です。

「虹の彼方に」という有名な曲の中にこんな一節があります。

Somewhere over the rainbow
Bluebirds fly.
Birds fly over the rainbow.
Why then, oh why can’t I?

鳥たちが虹を超えて飛べるなら、私たちも文化や国の違いを超えて、飛んで行けると信じています。語虹舎の異文化間コミュニケーションサービスを通して、中国と日本の相互理解の一助となりたいと願っています。

工藤 浩美

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